やめるタイミングがいつも分からない。
習い事は格段意欲がある訳ではないのだけれど、そういった訳で、大体は学校の卒業と同じタイミングまでなんでもずるずると続けてしまう。水泳は5年、習字は8年、近所の学習塾は9年。
入学も卒業もない世間的に大人と呼ばれる年齢になって10年以上が経つが、始めるのはまだしも終わりを自分で決めるのはついぞ不得手なままだ。大人になって始めた趣味はどれも長く続いている。
6年と少し出させていただいていたラジオのコーナーが先日幕をおろした。
月に1回・十数分の出演だったので、自分でもこんなに長いこと続けていたという自覚もなかった。コーナー自体は私が出演するよりずっと前、2008年秋から開始されたらしい。番組の平均寿命など私にはてんで分からないが、13年といったら生まれたての子どもが中学生になっている。決して短い時間ではないはずだ。
パーソナリティーの方と近況を話しながら季節の簡単なレシピを紹介する。
春夏秋冬が6回もめぐったのか、と思うとなんだかとても感慨深い。最後のレシピは台湾デザートの豆花。シンプルなつるんとした豆乳のゼリーような豆花のうえには、その季節毎にトッピングやシロップを変えて愉しむ。
子どもの頃の入学式やクラス替えのように、いっぺんに新しいひとたちと出会うことはほとんどなくなったが、それでもご縁が巡り、どういう訳か「はじめまして」と出会えるひとたちも確実にいる。ひとつの「さよなら」の先には、また新しい扉が待っていたら嬉しい。大人はとっても長いから、またきっと何度も訪れる卒業と出会いを心待ちにしながら。