ブログ

木の家ができるまでの向こう側

小国の町の中心部を一望できる神様の森、城山大神宮。

お社を囲む木々は、樹齢200年を超える大樹ばかりで、壮観です。

長い時を生きてきた木々は、中が虫に食べられていたり、腐っていたりすることがあります。

台風などで倒れたら、周辺の家屋や人への被害があるかもしれない。

そういった理由で、神社を守ってきた地域の皆さんと相談し、大樹たちは一度伐らせて頂くことになりました。

大樹の伐採現場には、技術あるベテランの木こりさんたちが集結します。

そして緊張感。

相手は、人間の何倍もの大きさ、重さがある木の塊です。

チェーンソーで伐っている時に、もしそれが自分に向かって倒れてきたら。

木こりさんたちはその、万が一の事故が起こらないよう

1つの方向に狙いを定め、確実にそこに伐り倒す。技術力と精神力、経験値を持っています。

刃渡りが1mもあるチェーンソーで樹に切れ目を入れ、

後ろからじわじわと衝撃を与えると、

その大きな樹の体はふわりと傾き、地面に吸い込まれ…

その瞬間はスローモーションのようで、でも一瞬で。

感動と、怖さと、祈りと、いろんな感情が体内を駆け巡ります。

倒れた地響きと、風圧と、砂埃に木片。そして生きた木と土の香り。

そして、無事終わったという安堵感。

「やっぱ怖いなあ」そういって明るく笑う木こりさん。

この緊張感は、ふつうに暮らしているとなかなか体感できるものではないですが、

人が本来持っている感覚を揺さぶってくれる、生き物であることを思い出させてくれるような何かがあります。

大樹に限らず、木の家となるために伐り出される木々たちも、同じく。

木の家を建てるなら、木を値切ってはいけないですよ。

伐り出して木材を生む人たちの、命を値切ることになりますから。

正当な価格で買わないということは、

産業も、地域も、大地の力も、衰えていって、

やがて自分に、そして次世代の子どもたちに返ってきますから。

木の家ができるまでの向こう側、ぜひご覧ください。

入交 律歌阿蘇小国杉のくらし 企画係

森のこと、木のことが好きすぎて、熊本の端っこ小国町に移住。SNSなどで林業母子として3歳児と共に木のあるくらしを発信中。昼は小国町森林組合というゴリゴリの山の職場にいます。

このライターの記事を
もっと見る