家づくりの際に、きっと使われている
でも住む人はそんなに触れることのないもの
そんな素材のひとつに、「合板」というものがあります。
大根のかつら剥きのように、木の丸太を薄く薄く、くるくると削ってシート状にしたものを
密に重ねることで、新たな強い木材に加工したもので
壁や床などの下地に使われていることがあります。
幾層にも折り重なるそれは、
懐かしいウエハースのお菓子のようで、ミルフィーユのようで、地層のようで。
断面をじっと見ていると美しい。
ぽつぽつとある節は、チョコチップのよう。
ところで
珈琲豆やお茶の葉などの世界にある、シングルオリジンという考え方、ご存知でしょうか。
通常流通しているそれらは、たくさんの農園からたくさんの品種を集めたミックス製品です。
効率よく、安定して消費者に届けるには必要な方法。
その中で、産地の持つ個性を届けることができる
「このエリアのこの農園から、この品種のみを採取した!」と明示できる豆や茶葉があります。
それがシングルオリジン。
価値が高く、産地の産業力を高めるものとしても選ばれているものです。
合板も、建築現場に安定してたくさん届けるために、
通常は「九州産材」「国産材」といった、産地をミックスして作ることが多いです。
しかし熊本には、合板業界のシングルオリジンと呼ばれる、
「小国杉100%合板」という素材があります。
小国の森から丸太を伐って、産地の目利き職人が厳選した材料から作り出すことで、
マーブル模様の木目がたゆたう、美しい合板となります。
下地に使うにはもったいない!と、建築物の内装材やインテリア什器などに重宝されており、
全国から問い合わせが増えて、増えて、産地も驚くばかり。
良きものの中で、さらにこだわりたい。
そんな「木材のシングルオリジン」、味わってみてはいかがでしょうか。
小国杉100%のSGEC構造用合板【Layer】 | 阿蘇小国杉のくらし | 小国町森林組合 (ogunisugi.com)