暮らしの形と
土地の形とを
ゆるく合わせていく

キャンプが好き、家族や友人と家でBBQやお家アウトドアを楽しみたい、だから自分なら、広い庭がある家がいい…。［SORAデザイン］で働くご主人・Sさんは、自分の家にそんな夢を抱いていた。そして見つかった、約80坪の土地。「風が抜けるような家がいい、インナーガレージが欲しい」と、まずは自分で図面を何案も描いてみて、自分の中のイメージを少しでも形に起こした。そこから同社の設計士と共に、よりSさんの「暮らし方」に合わせた空間作りが始まっていった。

「まず、こだわったのが、空間の使い方の絶妙さ。インナーガレージから中庭のウッドデッキがゆるやかにつながって、理想以上に心地よい『風が抜ける』空間ができ上がっていました」とご主人。14畳ものかなり広い中庭。ここを取り囲むように作られた家屋も広くて明るい。家の中にいながら外にいるかのような、もしくは中庭にいながらリビングでくつろいでいるかのような、絶妙な雰囲気が作り出されている。
「具体的な要望を組み合わせていくというよりも、何を楽しく感じるか、何が好きか、家で何をしたいかを形に起こしていった」とご主人。そうして暮らしの形と土地の形とを合わせていく、そんな［SORAデザイン］らしい家づくりは、家族が暮らす「空間」を、想像以上にのびやかなものに仕上げた。

経年変化を楽しめる
素材を厳選して
空間の中心に据えた

ロフトのような2階フロアがある、ほぼ平屋のS邸。この絶妙な間取りが決まると、Sさんのこだわりは徐々に爆発していった。玄関からLDKに入ってまず目に留まるキッチン・ダイニング。使い勝手を考えてキッチンのコンロ台とダイニングテーブルを横一直線の一体型にし、４mものブラックチェリー材で造作した。カップボードやキッチン天井に使ったレッドラワン材は1枚1枚、木目までチェックして選んだもの。そして、3ミリという薄さにこだわったステンレス天板を特注で仕入れ、キッチンをフルオーダーした。外壁に採用した焼杉も合わせて、「流行り廃りに左右されず、年月を経るほど使い込むほどに味わいが深まる素材を丁寧に使いたかった」とSさんは熱く語る。

極力、ドアや廊下などを省き、ゆったり空間を確保しているS邸。洗濯の動線や2つに分けられる子ども部屋など暮らしやすさに配慮しつつも、ご主人熱愛の観葉植物・アガベの「居場所」も練りに練られた。何より、杉床や珪藻土の塗り壁に優しく包まれた空間は、境目や決まりごとが少なく、空気も、人も、循環していくような雰囲気を持つ。子ども達は思い思いの過ごし方を楽しんで、毎日家じゅうを冒険しては、遊び心をすくすくと育てている。「キッチンに立つと、天窓から空が見えるんです。その景色が、お気に入り」と奥さまも自分の居場所の魅力を語る。

ウッドデッキやインナーガレージは、ある日は子ども達の全力の遊び場、そしてある日はアウトドアのフィールドになる。友人を招いてもBBQを振る舞っても、屋外で、屋内で、ゆったり伸び伸び過ごせる包容力が、この家にはある。「家は広くなったけど、家族の会話は以前より増えたように感じるんです」と、最後にご主人が語ったこの言葉が、この家の魅力を一番に表しているように感じた。

物件概要

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