土地が決まるまでの
３年間、あらゆる
見学会に通い詰めた。

ナス農家を営むT家。泥汚れなどが出てしまうため、「玄関の広い土間空間」は家に求めた必須条件の一つだった。しかしこの土間、その実用性以上に、家族の暮らし全体を緩やかに回す、フレキシブルな空間になっている。ちょっとした来客対応に使えるソファ席に、ご主人が夜な夜な楽しむ晩酌用のワインセラー、ご近所や友人からのいただきものを置いておけるスペース……。LDKや中庭のウッドデッキともほぼ床続きのオープンな空間なので、多くの来客があった場合の居場所にもなる。もちろん、子どもたちの遊び場所にも。「この土間とリビングの居心地は、特に気に入っています」とご主人は嬉しそうに空間を見回す。

アパートが手狭になり、家づくりを検討し始めると、奥さまは「SNSで見つけた、気になるビルダーがある」と、以前からチェックしていた［SORAデザイン］をご主人に即座に推薦した。「SNSに上がっている家が素敵すぎて、来客が多いわが家に合いそうな家ばかり。『私だったら、こうしたい』と妄想ばかりしていました（笑）」と奥さま。早速、完成現場見学会へ赴くと、そこで社長の田﨑さんとも意気投合。しかし、なかなか土地が見つからなかったこともあり、それから建て始めるまでに３年かかることになる。「それでも急かされることなく、情報交換はこまめにしてくれて、でも売り込みされることはなくて。営業っ気がなさ過ぎて、心配になるほどでしたが」とご主人。この間、同社の見学会やOBの家を、本当にたくさん見て回ったという。

どんな家に住みたいか、
言葉にしなくても、
伝わっている

「来客が多いので人が集まりやすい家に、土間空間が欲しい、洗濯の量が多い、トイレは2つ欲しい……。具体的に伝えたのは、それくらいです」と微笑む奥さま。しかし、３年間、見学会に通い詰め、いろんな話をしたT夫妻の好みを、［SORAデザイン］のスタッフは驚くほど正確に把握していた。そうしてできたのが、T家のライフスタイルにピタリと寄り添った家。2階には男子2人の子ども部屋のみを設けた、ほぼ平屋の造りだ。土間・LDK・中庭のウッドデッキがフラットにつながり、農園スタッフや友人たちが大挙してきてもみんなの居場所がある。寝室や娘さんの個室は水回りの奥に配したので、プライベートも保たれる。1日6〜7回の洗濯にも耐えうる水廻りの動線も完璧。ご主人は木の質感が、奥さまはグレーと真鍮が好きということも伝わっており、それぞれが程よくミックスされたインテリアに。「昼間はほとんど家にいないので、暖色系の照明で落ち着けるような夜の雰囲気にもこだわりました」とご主人。多くを言わずとも、「分かってもらえる」「伝わっている」、そんな家づくりだった。

住み始めて約半年。以前はよく外へ飲みに出ていた農園のスタッフたちも、この家に集まることが多くなったという。「最大で20人来たこともあります。みんな入っちゃうから、すごいですよね」と微笑む奥さま。多くの人が集う、秘密基地のようなこの家。居心地良く開放的な空間は、T夫妻の包容力をそのまま描いたかのようだ。

物件概要

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