モノの真価を見極めている人はわずかだ。子供が描いたような作品なのに「あの美術展行った?やっぱ●●は違うわ」、坊さんのお経にしか聞えないのに「今回のアルバムはマジやばいよ」etc。わかった風の友達との会話に曖昧な相槌でやり過ごす。そんな経験は誰にでもある。が、安心してください。その友達も受け売りで本当はわかったフリを懸命にしているだけ。
家を建てたら誰かを招待したい。でもダサいとは思われたくない。 そんな時は安くてお手軽な雑誌が大活躍。アート、ファッション特集がベター。「でも良く知らないのに深い質問されたらどうしよう…」。そんな時にはこのセリフ「あんまり詳しくはないのだけど、純粋に見てていいなぁっ て思うんだよね」である。詳しくないのにこの良さがわかるなんて感性凄いかも。勝手にそう思ってくれます。表面的な雑誌の世界へようこそ。
執筆者・荒木 久尚 Hisanao Araki
本誌編集長(言ってみたかっただけ。何もして ない…)。広告代理店代表、縫製工場、青果卸の会社の副社長してます。キャンプとかバイクとか男らしいの苦手。出不精、文系おじさん。
*『くまもとの家と暮らし』02(2020年5月25日発行)の記事より再掲載しました。