ワンピースを誂えた。
「誂えた」というとなんだか仰々しいが、ちょうど弊社で展示会をしてくださったデザイナーさんの既存のデザインを、袖や丈を私に合わせて作っていただいたのだ。
「服は肌より先に抱きしめられる。」
昔むかしに目にした、どこかの百貨店のコピー。意味はもちろんその当時から分かっていたのだけれど、今回その誂えた服に袖を通した時、ふとその言葉を思い出し、身体中でその本当の意味を痛感したような気がした。
まるで洋服自体が生きているみたいに、私のどんな動きとも共にある。自分だけの洋服、とはこんなにも居心地がいいものなのか、と膝を打った初夏。