温泉大国・くまもと。
中でも、私が住む阿蘇の北の町、小国エリアは
開湯1800年の歴史を持つレトロな杖立温泉や、街づくりとしても有名な黒川温泉など、多くの温泉地があります。
そのひとつ。
某メジャー旅行雑誌の「行ってよかった温泉地ランキング秘境部門」にて
第1位にも選ばれたすばらしき温泉地、わいた温泉郷。
いかにも観光地らしく開発されきっていない、山の中の集落の良さが光る、お湯の町があります。
集落を見渡すと、あらゆる場所の地表から、湯けむりがあがっていて。
そこに住む人々は温泉地熱を、日々の生活のエネルギーとして使っているのです。
調理用の蒸し窯、家の床下暖房、衣類の乾燥室などなど。
昔ながらの集落の形が、最先端のサステナブルを叶えている不思議な町。
そんな地熱を使って、木材を住宅用に適切な状態に乾燥する技術があります。
そもそも。
「木材って乾燥させるものなの?」というところですが
木材というのは、山で木を切り倒した瞬間は、水分たっぷりうるうるで。
時間が経つにつれ、水分が抜けていきます。
採れたてのお野菜は瑞々しいですが、やがて乾いて縮んでいきますよね。それと同じく。
つまり。
伐りたてうるうるの木材を家にいきなり使うと、建てた後に縮んでしまうかもしれない。
大げさに言うと、家の柱とか建てた後に思いっきり縮んだら、
隙間だらけになるかもしれないですし、傾いたりする部分もあるかもしれない。
昔はそれでも、時間をじっくりかけて建てる中で乾かしたり、
縮むことを見越して建てたりという、自然のゆらぎに合わせた建築の姿がありましたが、
現代は早ければ3ヶ月で家はできるもの。スピード重視、人に合わせていく時代。
そこで。
現在の木の家づくりは、切った木を大きな設備で人工的に乾燥させて含水量を低くし、
ある程度安定させた状態で使用するようになりました。
その乾燥に、大地から湧き出る地熱を使っているのが、熊本が誇る小国杉。
地熱で乾燥すると、重油などの化石燃料を使わないからCO2の排出も大幅にカットできるし、
高温すぎない50-60度という中温で乾燥できるから、木材の細胞にも負荷が少ない。
木が本来持っている、人体に良い成分などを、
自然乾燥に近い状態で留めた状態で出荷できるというデータも出ています。
2050年カーボンニュートラル!(脱炭素社会)を国が掲げたこの時代ですから、
環境意識や持続可能性というSDGs視点で選ぶのはもちろんのこと、
温泉好きな方はぜひ、湯あがり素肌美人な木材を選んでみる。
そんな素材の選び方も、自分のくらしに浸透がいいかもしれません。
地熱乾燥材®(乾燥後成分データもこちらからどうぞ)
http://ogunisugi.com/products/traders/chinetsukanso
いつも撮らせて頂いている我が家行きつけの温泉。おすすめです。