家づくりを学び始めると、初めましてのワードにたくさん出合いますよね。それってどういうもの?と、?ハテナがたくさん飛び出してくるよう…。「長期優良住宅」もその一つなのでは。
一度は聞いたことあるような気もするけれど、あまり理解はしていない…という人のために、今回はこの「長期優良住宅」についての概要をお伝えして参ります。
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会から出ている制度の概要(PDF)はこちらをご覧ください
長期優良住宅とは
簡単に言うと、長期に渡り良好な状態で使用できる住宅をつくることを目的に2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」で定められた基準を満たした住宅のことです。何世代も住めるつくりを目指し、それによって資産価値も維持できるため、売却時にも「優良な住宅」として評価されることを狙いとしています。
この基準を満たして認定を受けた家を購入した場合、様々な優遇を受けることができます。
優遇の一例として…
- 不動産取得税の控除額が増える
- 固定資産税が2分の1に軽減される期間が長くなる(一般の住宅だと固定資産税が2分の1に軽減される期間は1~ 3年目までなのに対し、長期優良住宅は1~5年目までになる)
などが挙げられます。ただし、この認定を受けるにはかなり細かな条件をクリアする必要があります。
認定を受けるための条件
以下の項目でそれぞれ条件が設定されています。
- 丈夫で長持ちする家…耐震性/省エネルギー性/劣化対策/維持管理更新の容易性
- 住む人の変化に対応できる家…可変性(一戸建ては対象外)・バリアフリー性(一戸建ては対象外)・住戸面積
- 住み続けるための計画がある家…維持保全計画/住宅履歴情報の整理/居住環境
参考/『絶対幸せになる! 家づくりの基本125 2021年度版』株式会社エクスナレッジ
長期優良住宅の認定基準にはいくつかの項目があり、それぞれに必要なレベルが等級や基準値として定められています。
ここでは、以下に示す新築住宅の認定基準について解説します。長期優良住宅の認定基準にはいくつかの項目があり、それぞれに必要なレベルが等級や基準値として定められています。
ここでは、以下に示す新築住宅の認定基準について解説します。
項目 内容 等級・基準値など 温熱環境 ・断熱性能に優れていること
・省エネルギー設計であること・断熱等性能等級4 劣化の軽減 ・数世代にわたって居住できる構造であること ・劣化対策等級3
・構造の種類に応じた基準あり高齢者への配慮 ・共用部のバリアフリー性が高いこと ・高齢者等配慮対策等級3(※) 構造の安定 ・耐震性が高いこと ・耐震等級2または条件つきの等級1 維持管理・更新への配慮 ・配管などのメンテナンス性が高いこと
・内装や設備の点検・補修がしやすいこと・維持管理対策等級3(専用配管)
・同上(共用配管)(※)
・更新対策等級3(共用排水管)(※)住戸面積 ・面積が一定以上であること ・一戸建て:75㎡以上
・マンション:55㎡以上(※)マンションのみ適用
引用/ニフティ不動産「長期優良住宅のメリット・デメリットを解説!制度のしくみや認定の条件は?」
デメリットは…?
もちろん、申請や手続きが面倒ということも含めデメリットも当然あります。まずは申請の手続きが非常に煩雑で面倒だということ。そして建築のコストが上がったり工期が長くなる可能性があること。定期点検の必要もあるので、そこでもコストがかかります。その辺りも含めて、トータルで検討しなければなりません。
今回は「長期優良住宅」についての概要をお伝えしました。専門的で難しい内容のため、プロのお任せにしたいところですが、そこには当然費用が発生するのでお得度は下がってしまいます。
まずは、ご自身で調べてから検討してみてはいかがでしょうか?!
<参考>
『絶対幸せになる! 家づくりの基本125 2021年度版』株式会社エクスナレッジ