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大声で泣く子ども。

あぁ、こんな顔ぐしゃぐしゃで泣いたことって、最近あったかな?

七五三撮影が立て込んだ秋と冬。
知り合いの子どもや、初めましての子ども。
一緒に遊んだり、泣かれたり、怯えられたり、なつかれたり、と
家族の数だけ写真とともにこちらも思い出をもらってる。

昔からの友人家族の子どもの七五三を撮影したある日。

赤ちゃんの時からよく会っていて
すでに親戚のようになつかれていたから安心しきっていた撮影が
思った以上に苦戦した。

いつもと違う母と父(おめかし)
いつもと違う場所(神社)
いつもと違う服と靴(着物と草履)

興奮と不安で情緒が不安定だ。

いつもなら手を繋いでくれるのに嫌がったり
ハグもしてくれない

あれれ〜と焦り
あの手この手を使いどうにか撮影終了。

あ〜どうにか終わったよ、ほっ
としたのも束の間、道路でこけて大泣きで終了

顔をぐしゃぐしゃにして
腹の底から声を出して
涙の粒がぽろんぽろんとこぼれてくる

その涙を見ながら
叱ったり心配したりする親を横目に
最初の思いがよぎった。

大人になると、わんわんと泣くことがまず無い。
悲しいことがあっても、シクシクとひっそり泣くことばかりだ。

親のイライラをよそに、その涙をじっと見つめていた。

photo by contaxt3

大塚淑子編集・カメラマン・ライター

1985年生まれ、福岡県八女市出身。熊本を拠点に編集者・フォトグラファー・ライターとして活動中。かためのプリンとコーヒー味のおやつに目が無い。

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