あぁ、こんな顔ぐしゃぐしゃで泣いたことって、最近あったかな?
七五三撮影が立て込んだ秋と冬。
知り合いの子どもや、初めましての子ども。
一緒に遊んだり、泣かれたり、怯えられたり、なつかれたり、と
家族の数だけ写真とともにこちらも思い出をもらってる。
昔からの友人家族の子どもの七五三を撮影したある日。
赤ちゃんの時からよく会っていて
すでに親戚のようになつかれていたから安心しきっていた撮影が
思った以上に苦戦した。
いつもと違う母と父(おめかし)
いつもと違う場所(神社)
いつもと違う服と靴(着物と草履)
興奮と不安で情緒が不安定だ。
いつもなら手を繋いでくれるのに嫌がったり
ハグもしてくれない
あれれ〜と焦り
あの手この手を使いどうにか撮影終了。
あ〜どうにか終わったよ、ほっ
としたのも束の間、道路でこけて大泣きで終了
顔をぐしゃぐしゃにして
腹の底から声を出して
涙の粒がぽろんぽろんとこぼれてくる
その涙を見ながら
叱ったり心配したりする親を横目に
最初の思いがよぎった。
大人になると、わんわんと泣くことがまず無い。
悲しいことがあっても、シクシクとひっそり泣くことばかりだ。
親のイライラをよそに、その涙をじっと見つめていた。
photo by contaxt3