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「もんぺい作りました」
とメールが届いた。文字を目で確認して、「もんぺい」とぎこちなく口を動かしてみたが、やはり「もんぺい」なるものには身に覚えがない。メールを開いてみると先日taishojiで開催した小さな茶菓子教室にご参加くださった方からだった。
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つい模様が可愛くて、色々集めたくなってしまう月餅の型。
早速作って下さった月餅(今回の菓子教室は中華菓子「月餅」がテーマだった)が小さな娘さんにも好評で「「もんぺい、また食べたいな。」と娘が言ったので、私が作る月餅はもんぺいになりました」というお便りだった。
レシピたちがこんな風に手を離れ、誰かのキッチンで、自分の半径50cmくらいにある道具を使って、新しく息を吹き込まれる。そんな瞬間って、もう、すでにレシピは自分で呼吸をしていて、まるで血が通った生き物みたいだ。うちでは「八」と呼んでいるかわいい野良猫が、隣りの家では「タマ」と呼ばれてかわいがられていたような、そんな気分。一人歩きして、自分の知らないところで、名前が変わったりしながらも愛され続けるといいな。キッチンはやっぱり幸せが生まれる場所なのだな、と何度でも繰り返し思います。
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「月餅」一見季節外れだけれど、中身を季節に変えて作れば一年中愉しめる。大好きになった菓子。