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己を満たす力は台所から

我が家では、台所は母の場所でした。

ご飯作るの手伝ってと言われることもなく。むしろあっちにいってなさいという家。

その娘は一人暮らしを始めるも、外食ばかりで23歳になるまで自炊をしたことがないという始末。

生活力の低さももちろん課題となりますし、

私って自分で自分を満たす力が弱いのでは…?と、本質的な問題に、ようやく気付いたのです。

子どもは、自分で自分を満たせる人間に育って頂きたい。

そのためにできることのひとつとして思ったのが「子どもと料理をつくる」です。

3歳になったタイミングで、子ども用の包丁と、小国杉のまな板(山ほどある)を渡してみました。

ハラハラしながら制止しそうになるのをぐっとこらえて、1品作ってもらいます。

親の、口出しせずに待つ力も育まれます…

きゅうり切って刺身切ってマヨネーズやのりを乗せて、海鮮サラダは作れるようになった。

軽量カップで牛乳を計って、ホットケーキもできる。

自分で卵をうまいこと割って、のり入りの卵焼きもできる。

毎日ヨーグルトと豆腐だけ食べてた大学生の私よりできる…!

我が家では大人の包丁の隣に、子どもの包丁が並びます。

専用の道具や、キッチンでいっちょ前に自分もやれる場があるって

3歳でもテンション上がるみたいです。

自分で自分を満たす力って、毎日のくらしの中で培われているのだと思うのです。

それはおなかを満たすという話だけではなくて、

自分の内面をコントロールする力や、他者との関わり方にもきっとつながっていて。

「おい、オレの飯は?」なんていうもはや死語を口にする方もいなくなるのでは。

生活力あることが生きやすくなることにつながるのだとしたら、

住まう人みんなにとって、家事が自分事となる家を建てたいですね。私は。

入交 律歌阿蘇小国杉のくらし 企画係

森のこと、木のことが好きすぎて、熊本の端っこ小国町に移住。SNSなどで林業母子として3歳児と共に木のあるくらしを発信中。昼は小国町森林組合というゴリゴリの山の職場にいます。

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