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マイナス10度からはじまる

九州、熊本ってあったかいんだよ!

そう聞いて移住してきた10年前の私。

初めての冬を迎え、

「嘘つきやん」

そう思いました。

熊本の中でも一等冷え込むと言われる、阿蘇小国エリア。

1月、2月は、朝起きたら氷点下という日々が当たり前。

今日1度あるよ!あったかいね!なんて会話も聞こえてくる、火の国とは思えぬ地域です。

東北・仙台から遊びに来た人が、小国の方が寒い…と言い残して帰っていきました。

森の中は特に寒くて。

-10度にもなることも、ざらではない。

だからこそ、木目が詰まった、良質な木材が育つとも言われています。

バウムクーヘンの輪切りを想像してください。

木は1年ごとに、年輪と言われる輪っかの木目が増えて成長していくのですが、

暖かい地域だとどんどん成長できるので、木目の間隔が太く広くなるのですね。

それが、寒さが激しい地域だと成長がじわじわとしていて、木目の間隔が狭くなる。

そうすると、密度の詰まった良い木材になります。

木目が詰まると、高密度になり、同じサイズの木でも比重が高い。

大工さんたちが初めて小国杉の柱を担いだ時に、本当にスギなのか?重いぞ!?と驚くんだとか。

マイナス10度で育つ小国杉たちは、

寒暖差で甘くなる野菜のように、今日も寒さの中で強さを蓄えています。

今日も凍り付いた木が、朝日を浴びて溶けていく。その姿は幻想的。

人間にはなかなか過酷ですが…

入交 律歌阿蘇小国杉のくらし 企画係

森のこと、木のことが好きすぎて、熊本の端っこ小国町に移住。SNSなどで林業母子として3歳児と共に木のあるくらしを発信中。昼は小国町森林組合というゴリゴリの山の職場にいます。

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