オープンな家族空間と
ミニマムな個人空間の
バランスのいい家
立ち上がる湯気、コポコポと注がれるお湯の音、プクっと膨らんだ豆のふくよかな香り…。キッチンカウンターに立ち、ハンドドリップで静かにコーヒーを淹れるご主人の姿は、ここが「住まい」であることを忘れるほど絵になっていた。それもそのはず。ご主人は、人気コーヒーショップを営む“ロースター”。一杯ずつ丁寧に淹れてくれたコーヒーは、言わずもがな美味しい。あらためて、この繊細でスタイリッシュな家をまじまじと見つめた。
Mさんと[宮﨑建築]との縁は、そのコーヒーショップの内装を手がけたことから始まった。緑広がる田園に建つ家は、低くワイドなプロポーションが特徴だ。そして中に入ると…「シンプルですが、“陰影”を生かしたデザインがとても気に入っています。好みをわかってくださっているので、家を建てるなら絶対に宮﨑さんでと決めていました」と熱く語る。
これまで多くの注文住宅や店舗を手がけてきた一級建築士の宮﨑さんも、Mさんのセンスと斬新なアイデアプランに刺激を受けたという。「ここまでいろいろなことにチャレンジさせてもらった家はなかったかもしれません」と振り返る。質感豊かで陰影に富む空間は、家族5人が仲良く暮らすにぎやかさを保ちながらも静謐な空気を漂わせる。これは「ほの暗くひんやりした家に住みたい」というMさんのオーダーを大事にしたためだ。
音楽のように、
気分に合わせたムードで
暮らしを楽しみたい
Mさんの家の印象を決定づけるのは、玄関ドアを開けるとすぐ目に飛び込んでくるモルタル土間だろう。ここはLDKに直結する廊下でありながら、コレクションのレコードやCDがずらりと並べられ、お気に入りのソファチェアを配置。「コーヒーを飲み、ゆっくり音楽を堪能する場所にしたかった」とディテールにこだわってつくられた。開放的でありつつ、意識を静かに内へと向かわせる最高の“部屋”として完成している。「ギャラリーみたいな暗がりが心地いい。光の当たり方で土間の表情が違って見えるのも面白いんですよね」。
さらに特筆すべきは、冒険心をくすぐる回遊性だ。土間階段から2階にのぼると高さを抑えたフロアが広がり、ゆくゆくは子どもたちのホビースペースになる予定という。さらにそこからはしごを使って下に降りると寝室へ戻る…という、迷路に迷い込んだような楽しい間取りを実現した。
「とにかくわんぱくざかり! 子どもたちも新しい家がすっかり気に入っているよう」と夫婦はほほ笑む。オープンな家族の共有空間とミニマムな個人空間のどちらも大事にした家で、これからも。その変化を楽しみながら、家族らしい生き方、暮らし方を見つけていくのだろう。
物件概要
ハウスメーカー | 宮﨑建築 | ||||
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予算 | 2,500〜3,000万円 | ||||
間取り | 3LDK+土間 | ||||
階数 | 2階建て | ||||
性能 | 省エネ 創エネ 通風 採光 ガス | ||||
素材・工法 | 木造 | ||||
ライフスタイル | 家事がしやすい 収納満載 子育て世代 趣味重視の家 |
この物件の事業所
宮﨑建築は無垢材にこだわった注文住宅や店舗の設計・施工を行っている熊本県八代市の住宅会社です。 ひとりひとりの価値観や住まい方は、それぞれです。 お話をしながら、ご提案をします。 木漏れ日の中、風がスッっとぬけてゆく……。 やわらかな時間が流れていくような空間づくりを目指しています。
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