
梅雨入りを待ちわびるかのように、路地には青や白、ピンクなどいろんな種類のアジサイの花が咲きほこっています。雨が続く日々に彩りを添えてくれるアジサイ。このアジサイを使った「6月限定」のおまじないがあるのです。
おまじないをするのは、6月の6がつく日
古くから、6月の6がつく日(6、16、26日)にアジサイを家の軒下や玄関などに“逆さまにして吊るす”というおまじないがおこなわれてきたのだそう。熊本ではあまり見聞きしたことがないのですが、全国的に知られた風習なのだとか! 調べてみると、そのまま吊るしたり、半紙でくるんで紅白の水引で結んで吊るしたりと地域によってやり方はさまざまなようです。
実はアジサイは、有毒植物。あやまって口にすると嘔吐やめまいなどの症状が出るといいます。昔の人々は、この毒をもって魔除けや厄除けになると信じていたのかもしれません。
また、吊るす場所によってもご利益が違うのだそう。軒下や玄関に吊るすと、魔除けや金運アップ。トイレに吊るすと、婦人病にかからない、老後に下の病気で困らない(または、人の下の世話をしなくていいなど)ともいわれています。
1年間吊るしたアジサイは、感謝の気持ちを持ってまた6月の6がつく日に新しいアジサイに吊るし替えます。
暮らしのアクセントにアジサイの彩りを
1年間吊るすとなったら「素敵なドライフラワーになるのでは!」とあわい期待を寄せていたところ、“路地に咲いているような日本アジサイは、水分が多いためドライフラワーには不向き”といった情報を目にしました。
せっかくなら、1年を通してアジサイの変化も楽しみたいと思い、花屋さんで適したアジサイを聞いてみると、
・秋色アジサイとも呼ばれる “アンティークアジサイ”
・白くて少し小ぶりのアジサイ “アナベル”
と教えていただきました。
どちらも、花びらを触った時に水分が少ない感じがします。実際、路地に咲くアジサイの花びらを触ると、しっとりと感じるはずです。
また、きれいなドライフラワーにするポイントとして
・風通しの良い場所に
・花が一番キレイな時に吊るす
これから梅雨入りして湿気が多くなると、カビが出ることもあるとのこと。通常、風通しの良い乾燥した部屋で吊るすと10日ほどでドライになっていくそう。色の変化を見ながら飾るのも楽しいですね。
アジサイの花の色が移り行くことから、アジサイには「移り気」という花言葉もあります。そんなアジサイを逆さにすることで「病が移らない」とげんかつぎをしたおまじないとも言われています。ご自身はもちろん、家族みんなの健康を祈りながら、アジサイを飾ってみませんか?
『くまもとの家と暮らし』Vol.2では、「旅をする花。」という特集でふだん使いできる熊本の花屋さんをご紹介しています。
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ぜひご覧になってみて、アジサイや季節のお花をお家に飾ってみてくださいね。
取材協力
Hymy.(ヒュミュ)
参考文献
『日本の365日を愛おしむ』東邦出版