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【IE・KURA COLUMN】カレーのはなし。

カレーばかり食べている。子どもの頃に母が作ってくれていたあまあまのカレーの呪縛から解き放たれたのは社会人になってから。街で働き始めると、やたら皆がカレー好きな事に気づき、目を凝らせばカレー専門店とカレーが自慢の飲食店が乱立していたのだ。

異国のカレー屋にサラリーマンが駆け込み、洒落たカフェのスパイスをウリにしたカレーを目当てに女子が殺到し、喫茶店のじっくり煮込む系カレーは静かに常連の心を潤した。

話は戻って、ただの甘いカレーだと思っていた母のカレーも、市販のルゥを2種類使ったり、大量のリンゴをすって入れてたり、ちょっといい牛肉を入れてくれてたり、野菜の形が分からなくなるほど煮込んだりと、実は子どもの事を思う母の思いと手間が隠し味だった事を後で知る。こんなにカレーが好きなのに、家では<インデアンスパイス>に頼ったひき肉のカレーしか作らない私。結局人の作ったカレーが一番うまい。

カメラマンとライターの友人と自宅でわいわい撮影、の休憩にはテイクアウトカレー。ステイホーム期間中も、テイクアウトでカレーばかりを食べていた。どれも美味しくってありがとう。

執筆者・大塚 淑子 Yoshiko Otsuka
1985年生まれ、福岡県八女市出身。熊本を拠点に編集者・フォトグラファー・ライターとして活動中。最近引っ越しました。最高の選択でした。

*『くまもとの家と暮らし』032020925日発行)の記事より再掲載しました。

家と暮らし編集部

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