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街に馴染む、自然に馴染む

好きな街に住みたい。
私の中では、昔ながらの街並みにある老舗商店と、リノベーションした新しいお店が共存しているような街並。アパレルショップや飲食店、カルチャーを発信してそうな場所、“古”と“新”がいい感じに融合している街が好み。そんな街に憧れ、学生時代に住んだ地域は福岡にある“大名”。今住んでいる場所も、そんな雰囲気に近い街並。いつでも素敵だな〜と感じる街には、その街に似合っている、風景に馴染んでいる建築物がある。

2021年度くまもと景観賞の、地域景観賞の1つにも選ばれている“NIPPONIA 甲佐 疏水の郷”。

私にとってこの辺りは土地勘もなく、馴染みのない場所。訪れた際、「街にたまらなく似合う‼︎グッとくる‼︎」熊本にもこんな風景があったものかと再発見。以前、建物と街の雰囲気、古物を扱っているという、私の好きなもの3拍子を目がけて行った、京都にあるセレクトリサイクルショップ“PASS THE BATON”を思い出した。“古”に“新”を吹き込んだその店舗。昔からの街並が、温かさを残しつつ、少しだけ新しい街並みへ。自然の風景に溶け込んでいる佇まいが、2つの建築物の共通の魅力に感じる。

出典: PASS THE BATON京都祇園店                残念ながら今月13日をもって閉店。

旅をしてグッときた建築物、港町に馴染む広島の複合施設“ONOMICHI U2”。昭和初期に建てられた海運倉庫をリノベーション。

昔からある馴染みの建物は、今までの風景をそのままに中身をチェンジ。昭和ノスタルジックな雰囲気が残る外見からは想像がつかないような、イケメンな店内。絵画のように切り取られた借景の美しさ。レストラン、ショップ、カフェ、自転車に乗ったままチェックインできるホテルなど、地元の人と旅人が行き交う空間。そんな建物と街の関係が魅力的。

近年は特に癒しを求めているせいか?年齢を重ねたからか?さらに自然に溶け込むような建築物が好みになっている。究極は、建築の三代巨匠と呼ばれる1人、フランク・ロイド・ライトが設計した“落水荘”。

コンビニには程遠そうなロケーション。実際住む、となったら私にとっては覚悟が必要だが、室内の大きな窓から覗く木々の豊かさが、季節の移り変わりを映してくれることをイメージすると、日々の生活を心豊かに過ごせそうな予感。施主の要望は「滝を眺めて過ごしたい」、設計者は「滝と共に暮らす」ことを実現。フランク・ロイド・ライトの特徴である「自然と建築の融合」を、身近な地域で感じたいと思う今日この頃。

yukkoインテリアコーディネーター/パーソナルスタイリスト/la estrellaバイヤー

アパレル・インテリア・建築業界を経て、現在娘の育児を中心にマイペースに活動中。旅・音楽・shop巡りが好きなわさもん母。

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